
私は外科医として約20年、がん患者さんを手術してきました。
進行がんに果敢に挑み、救えた命にやり甲斐や誇りを感じたものでした。
しかしその反面、「何故こうなるまで(=酷いがんになるまで)受診しなかったのだろう?」と健康意識の持ち方に疑問を抱く場面が多々ありました。
また進行著しいがんは高率に再発や転移を起こし、抗がん剤治療に多額の費用がかかり、緩和ケアとなっても介護にはマンパワーを要します。
生活習慣病についても然りです。
高血圧・高脂血症・高血糖などを気付かずに放置しておくと、心筋梗塞や脳卒中など生命に直結する疾患が何の予兆もなくある日突然襲ってくることもあり得るのです。
医療費は年々増える一方であり、これからの高齢化社会でさらに増え続けます。
長らく私たちが恩恵を受けていた保険医療制度も崩壊してしまうかもしれません。
皆さんはこの避けがたい現実をどう受け止めますか?
これからの医療は、「治療より予防」の時代です。「治療医より健康医」もあるべき医者の姿と言えます。病気になってから、薬を投与したり入院したり手術したりすれば多くの費用がかかります。
しかし生活習慣の改善や保健指導、予防などに注力し、多くの人が健康寿命を延ばせれば、長く社会で活躍できるだけでなく、薬代や治療費は今よりずっと少なくて済みます。
病気を治すだけでなく、健康な人を増やしたい!これが当院の実直な想いです。